2008年06月18日

CO2海洋隔離のやり方

CO2海洋隔離は、CO2の回収から始まります。
CO2はあらゆるところから発生するので、すべてを回収することはできません。
そこで、CO2が大規模に、しかも集中して発生するところ、
つまり、石炭火力発電所などを中心にして、分離・回収します。
このとき、CO2を扱いやすくするため、圧縮して液体にします。
この液体CO2を船で沖合い数百kmに運びます。
そこからパイプを水深2500mくらいの中深層までおろして、ノズルを通じて、海中に放出します。

液体CO2はノズルから放出されると、多数の小さな液体のつぶつぶになります。
海の深い部分の低い温度や高い圧力にあうと
水の結晶の中にCO2が閉じ込められて、
「CO2ハイドレート」と呼ばれるシャーベットみたいな膜ができます。
膜の内側の液体CO2は、このハイドレート膜を通じて、だんだん海水に溶けていきます。

ノズルから送り出すとき、つぶつぶの大きさがどれくらいだったらいいのか、
パイプの目詰まりを防止するには、またどれくらいの速度で出すのがいいのか
模擬流体をつくって何度もシミュレーションしました。

実験の結果、5mm~20mmぐらいのつぶがちょうどいいことがわかったそうです。
たとえば40cmものサイズだと、大きな固まりのまま海底にとどまってしまうとか。

ハイドレート膜でつぶになった液体CO2は、周囲の海水よりも比重が軽いので浮いてきます。
一方CO2が溶けた水は比重が重いため沈んでいきます。

つぶは溶けながら上昇していき、直径5~8mmの場合、
約100m上昇する間に、ほぼ海水中に溶けてしまいます。

水深500m以上の表面層には、生き物たちがたくさん暮らしています。
水深1000mよりも深い海中へ液体CO2を放出すれば、
表面層に上がってくるまでに溶けてしまうので
生物への影響が抑えられることになる、と考えられています。

でも、1000mより深いところにも生き物たちは実はたくさんいると思うので
この考え方が本当はどうなのか、よく分からないですね。  

Posted by fj at 11:25Comments(0)TrackBack(0)CO2と海

2008年06月16日

CO2隔離には

私たちがCO2を減らすための技術として思い浮かべるのはどんなことでしょう?
効率的に化石燃料を燃焼させ、工場などの生産設備から排出するCO2の量を抑制したり、
省エネルギーを推し進める技術があります。
これらの技術に関しては、わが国は世界のトップレベルであります。
つまり、逆に、これ以上の技術革新をしてCO2を大幅に削減するのは難しくなっています。
新しい視点からの技術開発が求められていたというわけです。

「CO2隔離技術」は、CO2の発生量を抑制するのではありません。
排出されたCO2を回収し、地中や海底、海中など、
大気から遮断された場所に隔離してしまおうというものです。

CO2隔離には、大きく分けて2つあります。
●地中貯留~地中にある帯水層や石油・ガス田などにCO2を送りこんで閉じ込めてしまうやり方。
●海洋隔離~CO2を海洋の深海に貯留したり、
 深さ約2000mの中深層や200~400メートルの浅海に希釈・溶解させるやり方。

地中貯留については、すでにノルウェーの石油会社が1996年から
天然ガスに含まれているCO2を分離し、海底下の帯水層に貯留するやり方をしています。
アメリカでは、70ヶ所にものぼる油田で
合計4000万トンを超えるCO2が地中に注入されているそうです。

海洋隔離は、1970年代にそのアイデアがオーストリアで提唱されました。
日本でも、日本の近海でどのくらいCO2を海洋隔離できるのか、
CO2海洋隔離に伴う周辺海域の環境への影響を研究するプロジェクトが
動き出しています。  

Posted by fj at 21:18Comments(0)TrackBack(0)CO2削減

2008年06月14日

CO2海洋隔離技術

CO2海洋隔離技術というのがあります。

地球温暖化を解決するための新しい技術です。
「CO2隔離技術」は、産業施設などから排出されるCO2を、地中や海中に送り込み、
長期間にわたって隔離するというものです。

C02隔離技術の研究を進めてきたのは、
(財)地球環境産業技術研究機構
(RITE=Research Institute of Innovative Technology for the Earth)。

RITEは、環境問題を解決するための環境技術を開発することを目的に、
90年に設立された研究機構です。

中でもCO2海洋隔離技術は、
海洋がCO2を吸収して貯留する高い能力を持っていることからも、
地球温暖化に対応する有効な技術として注目されているというのですが。。。

もちろん、やってみなければわかりません。不安な材料があるとする意見もありますが
何しろ何もかもが新しい状況。
ひとつひとつの環境技術を試してみるしかない、というのもあります。

一昔前なら、まるでSF小説のような話。
しかし、CO2隔離技術は技術的な課題についてはすでにクリアしていて、
今すぐにでも実用化が可能な技術とのことです。
このため、CO2隔離技術は、地球温暖化防止のための切り札的な存在として、浮上しています。

地球温暖化の主要な原因となっているCO2(二酸化炭素)は、
主に石炭、石油など、化石燃料を燃やすことで発生します。

CO2の大気中の濃度は、産業革命以前には約 280ppm。
しかし現在では368ppmまでに上昇しており、地球温暖化を防ぐためには
大気中へのCO2の放出を抑制する技術開発が必要なのです。  

Posted by fj at 14:40Comments(0)TrackBack(0)CO2と海